雨漏り調査

雨漏り調査

住宅寿命を縮める大きな原因である雨漏り箇所の特定を様々な観点から行います。
雨漏りの修理や補修を行う上で最も難しい点は、雨水の浸入箇所の特定になります。雨が漏ると考えられる箇所は沢山存在しますが、具体的にそれが何処かを特定するのは非常に困難といえます。

建築業者や大工さんに雨漏りの調査をしてもらったが、
「(雨漏り箇所が)特定出来なかった。」
「(雨漏り箇所を)補修して貰ったが、治ってなかった。」
「今は雨が漏ってないから、漏った時(雨の時)じゃないと解らない(逃げ文句)と誤魔化された。」
「そろそろ建替えの時期だから、あきらめて建替えた方が良い。」
等の言葉を言われた事は有りませんか?

それは住宅を建てる業務と雨漏り原因を究明する業務は別の分野だからです。
例えば、自動車を製造している人が自動車の設計や開発が出来る訳では有りませんし、自動車の開発者の運転が上手とも限りません。また自動車メーカーが最高のカーナビを開発出来るとは限りませんし、最良のホイールやタイヤを製造出来る訳でもないからです。
つまり大工さんは建築の素人ではないというだけで、あくまでも雨漏り調査が専門分野ではありません。

特に雨漏りに関しては躯体や構造とは因果関係のない水が関与している訳ですから、勘や経験だけでは補えないところが有って当然です。

次に何故そこが漏水したかが重要なポイントになります。殆どの業者さんは仮に雨漏り箇所を特定しても、何故そこが漏水したか迄は考慮せずに補修工事を施します。
すると数ヵ月後~数年以内に同一箇所若しくは同一原因によりふたたび漏水する可能性が高くなります。つまり、主たる原因を究明・解決していないから、同じような雨漏りを繰り返してしまうのです。

漏水の原因も外的要因と内的要因の2種類が有りますが、外的要因から雨漏りが発生しても最終的な内的要因が解決されていないと、再び漏水を繰り返す可能性が高いと考えて下さい。
なかには過去の漏水よりも症状が悪くなっている場合も多いようです。
もう1つの大きな問題点は、家を建てた悪質な業者は『きちんと雨漏りの調査をしたくない』という事です。
家を建てた建築業者は『建築してから10年間の雨漏り修理の保証』(品確法による住宅瑕疵担保責任)を行っています。しかし悪意のある業者の立場からすると
「(のらりくらりと客の対応しているうちに)早く10年が経って欲しい。」
「(目地のシーリングや化粧モルタルなどの)応急処置だけで勘弁して欲しい。」
「雨漏りの補修費用は自腹なので(本格的な調査は)やりたくない。」
「雨漏りの原因は特定しているが、それを補修するには莫大な費用がかかるので何とか誤魔化して逃げ切りたい。」
これは何も中小の工務店に限らず、大手の建築業者でも上記のような対応をするところはあります。

私共は科学的手法に加え専門知識と経験から雨漏り箇所の特定と雨漏り原因の究明・解決を目的として漏水調査を行っています。現在、雨漏れが止まっていても小屋裏や壁内部では侵食が続いてないとも限りません。住宅の長寿の為にもしっかりとした漏水調査をお勧めします。

雨漏りは屋根や外壁やサッシ廻りからベランダまで建物の様々な場所でおこりますが、雨漏れには雨が降ると常に雨漏れするケースと水量や風向きなど一定条件が整わないと雨漏れしないケースがあります。
又、実際に水が侵入している箇所と室内で水漏れを確認出来る場所が離れている場合には、浸水経路の特定が難しいケースがあります。建物の雨漏りを放置しておいても状況は悪化するばかりですから、気になる浸水や滲みを確認したら是非弊社に御相談下さい。

住宅の雨漏りには目視で確認できるケースと、見えないところで浸水しているケースがあります。
目視で確認出来るケースでは既に室内に浸水していたり、外壁や軒などに雨滲みが生じていたりする場合が多く、居住者も雨漏れを認識出来ています。
その場合には、被害の拡大を防ぐ為にも『雨漏れの原因究明や浸入経路の特定』が必要です。

一般的に雨漏れの侵入経路になりやすい箇所は
  • 屋根
  • 雨樋
  • サッシ
  • 外壁
  • ベランダ・バルコニー
  • 等が多いです。 しかし実際には、複数の要因が関係している場合や、通常では考えにくい要因が働いている可能性もあるので、きちんとした調査や診断が必要になります。

また雨漏りだと思っていたら、結露が原因で室内に滲みが発生しているケースもあります。これは防湿シートや防水シートの施工方法に原因がある場合が多いですが、様々なケースが考えられます。

室内に滲みが発生した場合は、
  • 発生した時期や天候
  • 発生の様子や経過(写真)
  • 発生した際の風向き
  • 等を記録しておくだけでも、原因究明には役立つ情報です。

1:屋根からの雨漏り

屋根からの雨漏りで多いのは、下記のような部位です。
  • 屋根の谷板金(谷樋)でオーバーフローして雨水が浸入する。
  • 天窓の周辺から浸入する。
  • 破損した瓦の隙間から浸入する。(防水紙が破損している状態)
  • 漆喰が流出したり欠落したりした個所から雨水が浸入する。
  • 軒樋が逆勾配やたわみが原因で滞水してしまい軒瓦周辺から浸入する。
  • 軒樋からオーバーフローした雨水が雀口漆喰付近から浸入する。
  • 雪が積もり板金の繋ぎから、雪が溶けて水が浸入する。
しかし実際には、複数の要因が関係している場合や、通常では考えにくい要因が働いている可能性もあるので、きちんとした調査や診断が必要になります。
散水調査を実地
コーキングの隙間
バックアップ材の欠落
雨漏り
天窓周辺の状態
滲み
室内の滲みとヒビ割れ
雑草が発生

2:小屋裏への雨水の浸入

小屋裏調査は雨水が浸入した経路を特定する際や、外部や室内からでは分からない被害状況の把握にも役立ちます。
定期的に小屋裏に雨水が浸入している状況が続くと、木部の腐朽や鉄部の発錆に繋がるだけではなく、いずれ室内に浸水する可能性も出てきます。
また母屋や梁などの腐食は建物寿命の低下にもなるので、外壁塗装や屋根塗装をする際には、一緒に小屋裏の点検や補修を考えてみて下さい。

木材の強度測定
雨水による滲み
漏水
水平器
含水率
開口部を作る
漏水を目視
小屋裏の木部
野地板(バラ板)に雨滲み
雨滲み
雨滲み
雨滲み
野地板の雨滲み
母屋に雨染み跡
フラッシュ無し
雨水が浸入
雨染み
母屋に染み跡
母屋に染み跡
破風板に染み跡
破風板に染み跡
雨滲み
滲み跡
母屋に滲み跡
雨滲みが跡
雨滲み

3:外 壁

外壁から雨水が侵入する原因は多数ありますが、一般的に多いのは下記のようなケースです。
  • サッシ(特に出窓)の上部から雨水が浸入する。
  • 矢切り(切妻の妻部)の母屋や棟木の周辺から雨水が浸入する。
  • 出隅や入隅の防水紙の収まりが悪い個所から浸水する。
  • 増築や屋根などの取り合い部位から雨水が浸入する。
  • エアコンなどの配管回りの隙間から浸入する。
  • ベランダが逆勾配になり雨水が建物側に流れ込んで浸入する。
  • ベランダの排水口周辺で滞水が起こり、直下の部屋に漏水する。
  • ベランダ笠木と外壁の取り合い部分から浸入する。
  • 履き出しサッシの下側周辺(ベランダの立ち上がり部分)
  • テラスと建物の取り合い個所(特にテラスの屋根)から浸水する。

これ以外にも多くの浸入する可能性がある個所が存在します。
外壁を塗り替える場合は、雨漏りしている個所の修理や予防を施してから塗装すると安心です。

取り合いの状態
取り合いの状態
苔も発生
シーリングの打ち忘れ
目地にヒビ割れ
剥離検査
ヒビ割れや苔が発生
含水率を測定

4:室 内

室内の天井に滲みが発生した場合は、一般的に下記の3パターンが考えられます。
  • 配管等から漏水
  • 雨漏れ
  • 害獣や害虫の糞尿 天井に滲みが出来た原因によって、その対策も大きく変わってきますので、先ずは原因究明をすることが先決です。
雨漏れの場合には、下記の点を判断することが大切です。
  • 雨水の浸入経路
  • 被害状況の把握
  • 補修や補強方法

特に補修方法は予算により大幅に内容が変わってきます。
また原因や被害状況によっては補修が不可能な場合もありますので、屋根の塗装や外壁の塗装をする場合には、併せて御相談下さい。

聴診調査
聴診調査
超音波踏査
超音波踏査
雨水が浸入
赤外線画像(浸入個所)
可視画像(滲み)
赤外線画像(浸入個所)
天窓に雨滲み
雨漏りの滲み
雨漏りの滲み
滲みとカビ
雨滲み
滲み
天井板に滲み
天井板が破損
雨滲み
滲みやカビが発生
天井板に滲み

5:基 礎

雨水が侵入して困るのは建物の内部だけではありません。
例えば、基礎の下への雨水の浸入は、建物を傾けたり住宅の強度を下げたり地盤沈下の原因になることもあります。
つまり場合によっては、建物内部への浸入よりも危険な可能性もあります。

外壁塗装や屋根塗装をする時には基礎の老朽度や劣化や強度や雨漏りなどの点検も一緒に行うと効果的です。
圧縮強度を測定
含有水分比を測定
基礎と犬走りに隙間
隙間
基礎の陥没
階段と基礎に隙間
雑草が発生
地盤の陥没
土壌の硬度

雨漏れ調査の例

雨漏りの調査方法は千差万別なので、調査費用や調査日数や調査の方法などが状況に応じて違ってきます。 ,br> また建て替えや塗り替えや水回り設備の入れ替えなどの計画的なリフォームと違い、そもそも計画していなかった問題なので雨漏り修理の予算を考えていなかったケースなどもあります。

例えば、下記のような場合が考えられます。
  • 赤外線画像『非破壊で調査出来る場合』と、『破壊(壁や天井を壊す)しないと調査できない場合』
  • 『足場を組まないと調査出来ない場合』と、『梯子や脚立で対応できる場合』
  • 『目視で判断できる場合』と、『専門の機材を使用しないと判断できない場合』
  • 『1人が数時間で調査出来る場合』と、『複数人で数日間かかる場合』
  • 『常に雨漏りしている場合』と、『台風などの特別な環境でしか雨漏りしない場合』
更に雨漏りの調査をしても下記のようなケースになることもあります。
  • 破壊調査が出来ない個所や修復が不可能な個所があるので調査を続けるのが難しい場合
  • 雨漏りの調査中に更に大きな建物の瑕疵を発見してしまう場合(施工時から防水紙が全く使われていないなどの重大欠陥を発見する等)
  • 雨漏りの浸入経路が多数存在していて補修が不可能な場合
  • 既に何度も間違った修理が繰り返されていて調査が進められない状況(水切り部分に打たれているコーキングなど)
そして補修方法についても予算の関係で完全修復に至らないケースもあります。
  • そもそも補修不可能な状況にまで陥っている場合(建て替えるしかない状況)
  • 想定していた被害を超える状況だったので、補修する予算が足りない場合
  • 建て替え計画や家計の事情などで、完全な修理ではなく応急処置しか出来ない場合
  • 誰が補修費用を負担するのかによって金額や内容が違ってくる場合(保険会社か建築業者(請負業者か下請け業者)か不動産業者や施主)
  • 必要な補修(腐食した木部の交換)を提案しても、「見えない部分にお金を払いたくない」などの理由で、補修項目を減らす場合

雨漏り修理の例

養生
養生
開口部
開口部
部位別に散水
散水の浸入を確認
浸入経路の特定
浸入個所の特定
断熱材の挿入
点検口の設置