通常は外壁の塗装工事や屋根の塗装工事を施す際に、室内の点検や検査は必要ないように感じてしまいます。
しかし外壁のヒビ割れや屋根の瓦がずれている原因が室内から生じている場合もあるので、建物の塗装をする前には室内の点検も重要なポイントになります。
特に、柱の傾きや床材の歪みは建物全体に影響を及ぼしているケースもありますので、塗装の前にはチェックしておいた方がいいポイントだと考えています。
クロスのヒビ割れや寿楽壁のヒビ割れには、建物に影響を及ぼさないような原因の場合もありますが、非常に大きな構造上の問題が隠されている場合もあります。
地震による建物の傾きには一定の基準があります。
一般的な基準によると、下記の4種類に分別されます。
10/1,000㎜(1mで1㎝)以下の傾きだが、地震の被害が目視で確認出来る状況である。
外壁や内壁にヒビが発生していたり、屋根瓦に破損や欠損が発生していたりする状況が確認出来る。
10/1,000~17/1,000㎜(1mで1~1.7㎝)の傾きがある状態を半壊と呼びます。
17/1,000~50/1,000㎜(1mで1.7~5㎝)の傾きがある状態を大規模半壊と呼びます。
50/1,000㎜(1mで5㎝)以上の傾きが発生している状態を全壊と呼びます。
また、地震以外が原因で建物が傾いている場合には、6/1,000㎜(1mで0.6㎝)以上傾いているかどうかが、教養範囲内か否かの判断基準になります。
建物にヒビ割れが発生したり、建具に隙間が生じたりしている場合には、建具に問題があるのか建物が傾いているのかによって、問題の深刻さや修復方法が違ってきます。
室内にヒビ割れが生じている場合には、詳しい原因究明の調査をお勧めします。
脱衣場(洗面所)は浴室の湿気や水分の影響を受けやすい場所なので、室内でも木部が劣化や腐朽し易い場所でもあります。
目視で損傷を確認出来ない場合でも、床下で漏水したり木部が腐朽したりしている可能性もあります。
脱衣場(洗面所)で床が軋んだりクロスに黴や黒墨が発生したりしている場合には、室内の温度湿湿度以外にも換気の状態や含水率の状態をチェックしておく必要があります。
浴室は常に水を使う場所なので、室内では最も注意が必要な場所の1つです。
特に内壁や床からの漏水は建物全体の劣化を早めてしまう原因に成り兼ねません。
また、浴室を使用したあとの換気が不十分だと、カビや苔が発生してしまう可能性もあります。特に天井のカビは浴室全体に胞子を撒き散らすので、常に清潔な状態を保つ必要があります。
浴室で漏水に対して注意すべきは下記のような箇所です。
浴室から床下に漏水していてもなかなか被害は把握できないので、気になるヒビ割れや普段とは違う兆候が確認出来たら、状況を把握する為にも浴室や床下の点検をお勧めします。
トイレは臭気が籠り易いだけではなく、雑菌が繁殖しやすい場所でもあります。
トイレは下記のようなチェックポイントが挙げられます。
しかし浴室のカビは天井から胞子が放たれて壁や床の湿気が高い場所で繁殖しますので、浴室のカビ予防には天井の清掃が必要です。
天井のカビは広がっている為に目視では認識しにくいのが特徴で、つい放置されてしまいがちですが、ここを清掃しないとカビは繁殖を繰り返します。
そして一見綺麗に見える浴室でも、実は浴槽周辺にカビは発生している事があります。
浴槽周辺は湿気も溜まり易く空気の流れも少ないので、防カビ対策としては定期的な清掃が必要です。