ベランダの排水口が詰まると漏水の原因になります。
特にベランダ床の下が部屋になっている場合は、注意が必要です。
また排水口の上部にオーバーフロー管が設けてあると、多量の雨水が発生して排出許容量を超えた場合には、屋外に排水できるので滞水や逆流を防ぐことが出来ます。
排水口周辺は雨水が集中するので、雨漏りした場合には被害が甚大になる可能性があります。
排水口周辺に雨水が滞水し始めたら、雨漏りしていなくても塗装や防水などの対策を施しましょう。
ベランダの側溝は雨が降ったときに雨水を排水する為の役割を果たしています。
側溝の重要な目的は、ベランダに降った雨水を滞水させずに排水口まで放出することです。
排水溝は1/100(1mで1㎝)以上の勾配が必要とされていますが、施工時に規定の勾配が取れていない場合もあるので、滞水しやすい場合は傾斜の検査が必要です。
名称 | 設置場所 | 屋根の有無 | 用途や特徴 |
ベランダ | 無関係 | 有る | 屋根が有る洗濯物を干す場所 |
バルコニー | 2階以上 | 無い | 屋根が無い階上の日の当たる場所 |
テラス | 1階 | 無関係 | 日の当たる室外の生活空間 |
サンルーム | 1階 | 有る | テラスの一種で全面ガラス張りの部屋 |
縁側(くれ縁) | 1階 | 有る | 家の南側の出幅が短い廊下 |
濡れ縁 | 1階 | 無い | 家の外の出幅が短い腰掛け |
デッキ | 1階 | 無い | 出幅が長く、家と独立している空間 |
1:施工前の状態
床面や排水溝周辺の清掃を行い目立つゴミを集めます。
2:施工前の状態
旧塗膜が残っている場合や劣化が酷い場合や目荒らしが必要な場合などには壁面や床面にケレン作業を施します。
ケレン作業は状況に応じて、下記のような種類があります。
3:散水
4:高圧洗浄中(右側から左側に向けて洗浄)
清掃や通常の洗浄では除去が難しい細かい汚れや埃などを高圧の洗浄機で洗浄していきます。この際に高圧洗浄機の水圧調整や水流選択が重要なポイントになります。
素材の状態に応じて水圧を考慮した高圧洗浄機を選択します。一般住宅であまり水圧の高い洗浄機を使うと、素地を傷める可能性があります。素材の状態に応じてバイオ洗浄などを施す場合もあります。
5:高圧洗浄中
高圧洗浄後に床面が乾燥しただけでは判断出来ない素材の劣化状態や吸収状況を考慮に入れ防水処理を開始するタイミングを計る必要があります。もし素材(外壁や床面)に水分が浸透してまっている状態で塗装を開始した場合、防水処理後に水分の逃道がなくなり防水層と床面の間に溜まりが生じて塗膜が膨らむ可能性があります。
8:手摺り壁の隅と周囲を刷毛で塗装
目地の劣化部分にコーキング剤(シーリング剤)を打ち増しします。
コーキング剤には主に下記の3種類のタイプのものが有ります。
変成シリコン系のコーキング剤の方が費用はかかりますが、耐久性や耐候性は高いです。
しかし一般的にはウレタン系のコーキング剤が使用されるケースが多いです。
目地の下地処理としては劣化状況と施工予算に応じた処理を施します。
9:手摺り壁部分をローラーで塗装(中毛ローラー使用)
10:手摺り壁部分の塗装が終了
11:手摺り壁面の塗装が完成
12:床の側溝の塗装(刷毛と短毛ローラーを使用)
13:ベランダの立ち上がり面の塗装(刷毛)
14:ベランダの立ち上がり面の塗装(短毛ローラー)
15:立ち上がり面と側溝面の塗装(中塗り)
16:ベランダ床面の中塗り塗装(中毛ローラー使用)
現場移動スペースの都合上、通常のローラー刷毛ではなく長柄を使用しました。
17:ベランダ床面の中塗り塗装(中毛ローラー使用)
18:ベランダ床面の上塗り塗装(短毛ローラー使用)
19:ベランダ床面の上塗り塗装(短毛ローラー使用)
20:ベランダ床面の上塗り塗装(短毛ローラー)
21:床面と側溝の塗装が修了です。
22:ベランダ床面と側溝の塗装が完成です。
23:排水口周辺の塗装完了です。
1:施工前のベランダの床の状態
ベランダの床に殆ど勾配が無いので、雨が降ると常に滞水する状態になっている。
2:高圧洗浄機で洗浄後の状態
下地を傷めないように、可能な限り低い水圧で時間をかけて黴や藻を除去する。
3:排水口の防水処理を施す
排水口のストレーナー受けを外して、排水口周りに防水処理を施します。
4:床面に下地処理を施す
床面と側溝が乾燥したら、プライマーを塗り表面の密着性を上げる。
5:モルタルで勾配を付ける(赤の矢印)
降雨の際、側溝や床面に長時間滞水しないように床面に勾配を付ける。
6:ローラー刷毛で防水塗料を塗る
モルタルが乾燥したら、防水塗装を施す(下塗り・中塗り・上塗り)
7:完成した状態
最初に外したゴミ受けを取り付けて、更にその上から塗装して完成です。